ポルシェ・タイカン4クロスツーリスモ(4WD)【試乗記】 いつでも気持ちいい

ポルシェ・タイカン4クロスツーリスモ(4WD)【試乗記】 いつでも気持ちいい

新ジャンルの開拓者

ポルシェ初の電動スポーツカーに新しい仲間が加わった。その名もタイカン クロスツーリスモ。タイカンの4ドアサルーンのルーフラインを仕立て直して、ボディー後端にガバチョと開閉するドアを設け、ちょっぴり最低地上高をアップしてオフロード走行にも備えた、ポルシェ言うところのCUV(Cross Utility Vehicle)第1弾である。

ポルシェ・タイカン4クロスツーリスモ(4WD)【試乗記】 いつでも気持ちいい

CUVという名前をつくったぐらいだから、CUVの第2弾の可能性は大だろう。次にありそうなのは「パナメーラ」だけれど、ピュアスポーツカーの「911」や「ケイマン」のCUVもワイルドな魅力を放ちそうだ。

話を戻して、2021年3月に発表されたタイカン クロスツーリスモには最初から、「4」「4S」「ターボ」の3モデルの設定がある。すでにタイカン4ドアサルーンのラインナップが出そろっているからだろう……。と思ったら、興味深いことに、タイカンは「タイカン」とだけ名乗る後輪駆動のモデルが一番“下”で、「タイカン4クロスツーリスモ」に対応するサルーンの「タイカン4」というのは、いまのところ存在しない。なるほど、こうした差異をつくり出すことで、クロスツーリスモ=4WDという存在感を押し出しているわけだ。

クロスツーリスモは、第一にいわゆるライフスタイル商品と位置づけられる。でもって、価格も魅力的で、これぞタイカンの本命、と申し上げても過言ではない。例えば、タイカンが1203万円、タイカン4クロスツーリスモは1341万円で、その価格差は138万円。

前者は1モーターの後輪駆動で、最高出力は326PS、0-100km/h加速は5.4秒。後者のクロスツーリスモは前後アクスル上にそれぞれモーターを搭載する2モーターの4WDで、380PSと5.1秒である。機構面、性能面から言っても、この価格の違いは納得できる。

ポルシェのクロスオーバーEV「タイカン クロスツーリスモ」。国内では2021年3月に発表された。
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コックピットからインストゥルメントパネルにかけての造形は、サルーン「タイカン」のものと変わらない。空冷時代の「911」をイメージしてデザインされている。
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空調の操作は、8.4インチのセンターコンソールパネルで行う。同じ画面に充電状況も表示される。
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リアまわりは、「911」に似た「タイカン」とは異なり、塊感のあるSUVライクなデザインになっている。
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「タイカン」に対してロードクリアランスを高めにとり、ブラックのホイールアーチや広めの荷室でマルチパーパス性が強調される「タイカン クロスツーリスモ」。2015年登場のコンセプトカー「ミッションEクロスツーリスモ」にも見られた特徴だ。
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