新型「Fire HD 10」の専用キーボードはどこまで使える? 人気のChromebook「IdeaPad Duet」と比べてみた(1/4 ページ)

新型「Fire HD 10」の専用キーボードはどこまで使える? 人気のChromebook「IdeaPad Duet」と比べてみた(1/4 ページ)

 2020年5月に新モデルへとリニューアルされた、Amazonの10.1型タブレット「Fire HD 10」および「Fire HD 10 Plus」(第11世代)には、キーボード付きカバーとのセット製品が用意されている。テキスト入力を前提とした専用ハードウェアがFireに用意されたのは初で、製品の方向性の変化が感じられる。

 この背景に、近年急激にシェアを高めているChromebookの存在があるのは間違いないだろう。現行のWindows PCやMac、さらにはiPadでは、キーボードを含めた入力環境をChromebook並みの数万円という価格で用意するのは難しいが、安価なFireをベースにすれば決して不可能ではない。ユーザーからしても、使い方の幅が広がるのは歓迎だろう。

 そんなFire専用キーボードの実力について、今回は2in1タイプのChromebookとして人気の高いレノボ・ジャパンの「IdeaPad Duet」と比べながら、その特徴をチェックする。

レノボ・ジャパンの「IdeaPad Duet」(左)と、「Fire HD 10」をキーボード付きカバーと合体させた状態(右)。ちなみに、キーボードはFire HD 10 Plusも取り付けられ、キーボード付きカバーは「Made for Amazon」の認証を取得したFintieの製品となる。Amazonが製造/販売をするわけではない。価格は税込み5980円だ

ケースと一体化したキーボードで四隅が覆われ耐衝撃性は高い

 本製品はFireの背面を覆うカバーに、キーボードが合体した構造になっている。もともとラップトップの形状をしたキーボード付ケースに、Fire本体をはめ込む構造だ。タブレット部を中心に、キーボード部とキックスタンド付きのバックパネル部を表裏からマグネットで吸着させるIdeaPad Duetとは対照的で、主役であるはずのFireが付属品に見えるほどだ。

新型「Fire HD 10」の専用キーボードはどこまで使える? 人気のChromebook「IdeaPad Duet」と比べてみた(1/4 ページ)

 このような構造ゆえ、四隅はしっかりと保護されている。側面はボタンやポートにアクセスする必要があるため開いた状態になっており、防水/防じん性能が高いわけではないが、側面はもちろん四隅が完全に露出しているIdeaPad Duetに比べ、落下時などの保護性能は高そうだ。

Bluetooth キーボード付きカバー。Fire HD本体なしで自立でき、角度も変更できるFire HD 10(右)と並べたところ。ちなみに、キーボード部とケース部はマグネットで分離可能だタブレットをはめ込むようにして合体させる。取り外しはかなり力を入れなくてはならず、頻繁な着脱には向かないカバーと合体した状態。元のFireの面影はほとんどなく、完全にノートPCの形状だ背面。キックスタンドは使用せず、角度は自由に調整できる側面。四隅は保護されているが、ボタンやポート類にアクセスしやすいように、両側面は開いた状態になっている正面。スピーカー部だけでなく、ほぼ全体が開いた状態になっている閉じた状態。重量がややあるのがネックだ(詳細は後述)キーボード部と本体部は分離させることもできる

 Fireとキーボードは、Bluetoothで接続する。具体的には、本体右側面の電源ボタンをオンにした上で、キーボードのFnとCキーを同時に押してペアリングモードにし、Fireの設定画面でBluetoothデバイスの検出を行い、ペアリングを完了させる。Fire専用品とはいえ、こういった接続手順は一般的なBluetoothキーボードのそれと変わらない。

まずは右側面にある電源ボタンをオンにする。続いて、FnとCキーを同時に押してペアリングモードを有効にしようFire本体のBluetoothを有効にし、デバイスを検出する。「Fintie Keyboard」というのが本製品だ。タップして接続を実行する確認画面が表示されるので「ペア設定する」をタップ接続完了。必要に応じてオプションを開いて物理キーボードのショートカットキーの設定を行う

 本製品は、いわゆるキックスタンドのような、背面から支える構造ではなく、キーボードとの間のヒンジで角度を調整する仕組みだ。ヒンジは無段階で調整でき、不安定な印象は全くない。キーボードと画面の角度を保ったまま移動させられるので、膝の上などでのキー入力も問題なく行える。

最大限開いた状態。180度開けるわけではないが(約147度まで)、特に問題はないだろう角度は無段階に調整でき、このように前方に倒した状態でも角度をしっかり保持できる開いた状態では本体の底部がわずかに持ち上がってキーボード面に傾斜がつき、キー入力がしやすくなる本体底面。脚がついておりデスク上でも滑りにくい。また膝の上でのタイプも容易に行える

 本製品のネックとなるのは重量だ。キーボード一体型ケースを付けると重量が実質2倍になるのはiPadのキーボード付きカバーでも見られるが、本製品は単体で実測623gと、Fire本体(実測461g)を大きく上回っており、合体させた状態の重量は実測1084gにも達する。IdeaPad Duet(947g)との差は顕著で、軽さを求めるユーザーにはフィットしないだろう。

Fire HD 10と合体させた状態では実測1084gある。「10型クラスのノートPC」と考えてもかなり重い10.1型のIdeaPad Duetは実測947gだ。スマホ約1台分ほど違う左が本製品、右がIdeaPad Duet。どちらも画面サイズは10.1型ゆえ、ボディーサイズはほぼ同じだ本製品(左)の方がやや厚みがあり、四隅まできちんとガードしているのが強みだ

 続いて、キーボードの配列をチェックする。

キー配列は特殊

関連記事

1|2|3|4次のページへ