音楽ナタリー SUPER★DRAGONがツアー最終日にBLUEへ贈った“青い花”「これからも大きな愛で僕らを包んで」

音楽ナタリー SUPER★DRAGONがツアー最終日にBLUEへ贈った“青い花”「これからも大きな愛で僕らを包んで」

2021年12月23日 13:54 472

SUPER★DRAGONの全国ツアー「SIX DAY」の最終公演が、12月19日に東京・立川ステージガーデンで行われた。

SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)

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SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)[拡大]

9月の東京・中野サンプラザホール公演を皮切りに全国5会場で6公演が行われたこの「SIX DAY」は、先行公開されたボイスドラマの内容とそれぞれのライブの内容が連動する、ストーリー仕立ての公演。物語の展開に合わせてセットリストも変動していくという挑戦的な試みだ。「SIX DAY」で描かれるのは、未来から届いたメッセージを受けてミッションを遂行する9人の物語。人間とクローンの戦争が起きる未来を変えるべく、Amoyh(アモイ)というキーパーソンが起こす6つの事件を事前に阻止してほしいというSOSにこれまで応じてきた9人だったが、いまだに未来は変わらない。それどころか、前回の神奈川・神奈川県民ホール公演で唯一Amoyhの顔を見たという池田彪馬は「Amoyhは俺にそっくりだったんだ」とメンバーに告白する。クローン技術を悪用して戦争の原因を作ったAmoyhの正体について、不穏な憶測が広がるようなボイスドラマが会場に流れる中、“6日目”のライブは「WARNING」で幕を開けた。

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ステージの壁面に設置されたいくつものパネルに「WARNING」と警告のサインが浮かぶ中、冒頭からアグレッシブなパフォーマンスを見せる9人。どうやら物語のカギを握りそうな彪馬が勢いよくロングトーンを響かせると、志村玲於はダイナミックなアクロバットを見せてBLUE(SUPER★DRAGONファンの呼称)を圧倒する。ステージの上段と下段にメンバーが分かれての「LRL -Left Right Left-」では、サビでメンバーが踊る動きに合わせて、BLUEが手にするペンライトも左右にテンポよく揺れる。青を基調にした照明演出とも相まって、メンバーとBLUEの一体感は一気に高まっていった。

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LEDビジョンに無数の文字コードが明滅する中で始まったのは、メンバー紹介のソロダンスリレー。画面にメンバーのパーソナルデータが順に表示されていく中、スポットライトを浴びたそれぞれのメンバーはときにダイナミックに、ときに緻密な動きで舞い、自身の個性を全力で表現してみせる。Amoyhとの接触がいよいよ近付いたところでドロップされたのは「City Noise」。9人はハンディライトを手に踊り、涼やかなトロピカルハウスサウンドを幻想的に彩る。古川毅はパフォーマンスに色めき立つBLUEへ向けて「俺を導いてくれよ立川!」と歌詞を替え、真実を知るために核心に迫ろうとしているストーリー展開に、BLUEを巻き込んでいった。

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左から志村玲於、池田彪馬、柴崎楽。(撮影:笹森健一)[拡大]

敵との接触に成功するも、あっさり捕らえられてしまった9人。スリリングな駆け引きが小休止した中盤のセクションでは、田中洸希の柔らかな歌い出しから始まるオーガニックなサウンドの「Distance」、朗らかなメロディとポジティブなメッセージが心に残る「雨ノチ晴レ」がプレイされ、BLUEに温かなひとときが届けられた。9人も客席に向けて手を振ったりとリラックスモードで、毅や彪馬は自由なフェイクや楽しげなハーモニーを響かせて笑顔をのぞかせる。「雨ノチ晴レ」では洸希が隣に座った伊藤壮吾へマイクを向けて自身のパートを歌わせたり、松村和哉が飯島颯の肩に手を置いてリズムに乗ったりと、メンバーの和気あいあいとした様子が伝わるシーンが次々に展開されていた。

ファイヤードラゴン(撮影:笹森健一)[拡大]

サンダードラゴン(撮影:笹森健一)[拡大]

「早くここから出よう!」と誓った9人は、衣装を着替えてステージに再登場。毅、ジャン海渡、和哉が作詞に参加し、スパドラのステートメントをリリックに込めた「X」でパワフルにライブを再開させる。重低音が響くトラックに乗るボーカルとラップは熱を帯び、9人のフォーメーションダンスは逆光に照らされる演出で鮮やかにオーディエンスの眼前に浮かび上がった。“夜明け前”の沸々とした感情を歌う「Burning in the nights」ではステージ上段に置かれたソファに彪馬が1人座り歌うという意味深な演出で、物語が大きく動く予感を観る者に抱かせた9人。敵の拘束から逃れたのち「二手に分かれてAmoyhを見つけよう」と決めた彼らはグループ内ユニットのファイヤードラゴンとサンダードラゴンに分かれ、ファイヤーは「On My Way」、サンダーは「Caravan」をそれぞれにパフォーマンスした。

左からジャン海渡、田中洸希、松村和哉。(撮影:笹森健一)[拡大]

池田彪馬と田中洸希。(撮影:笹森健一)[拡大]

ジャン、洸希、和哉の3MCがひときわ攻撃的なラップの応酬を繰り広げる「Set It Off」では残るメンバーがステージの各所で激しいダンスを踊り、ステージ上の緊迫感は最高潮に達した。ここで9人はついにAmoyhを追い詰め、“Amoyh”が“Hyoma”を逆さから呼んだ名前であること、もともとAmoyhは純粋な気持ちでクローン開発に携わっていたが、いつしか道を踏み外し、クローン技術を自分のものにしようと企てていたという物語の結末が明かされた。「すべて終わりだ……」というAmoyhの嘆きが会場内に響き渡り、ライブはラストスパートへ。洸希のスキルフルなヒューマンビートボックスやジャンと和哉による高速ラップの掛け合いが熱狂を煽る「Untouchable MAX」では9人の背後から花火が勢いよく噴出し、メンバーはアウトロに用意された怒涛の躍り込みパートで底抜けのエネルギーを見せつける。続く「Dragonfly」では、毅が「俺らとみんなのエネルギーが掛けあわさったとき、立川が世界で一番アツい場所になります!」とBLUEに呼びかける。この言葉に応じるようにファンがメンバーのダンスに動きをシンクロさせながらペンライトを振ると、9人は曲の最後に「BLUE」と大きく書かれたタオルを頭上で掲げた。

音楽ナタリー SUPER★DRAGONがツアー最終日にBLUEへ贈った“青い花”「これからも大きな愛で僕らを包んで」

SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)[拡大]

「Mada' Mada'」のラウドロックサウンドに無心で身体を揺らし、9人が「まだまだいけるぜSUPER★DRAGON!」と声を合わせた力強い宣言がホール中に響き渡ったのち、本編のラストナンバーとして投下されたのは「SUPER★DRAGON」。彪馬と毅が「俺達が時代を変える」と高らかに歌い、右手の拳を力強く握った9人のシルエットが光の中に浮かび上がると、「ありがとう 俺たちの希望」という“未来からのメッセージ”が響き、「SIX DAY」の物語は幕を閉じた。

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ライブ本編をノンストップで駆け抜けた9人は、アンコールでこの日初めてのMCタイムを設けた。自己紹介では、柴崎楽がライブ中のBLUEの様子について「楽しそうで何より。みんなに活力をもらっています」と語り、和哉は「声が低すぎるの、許してください。叫び過ぎました」照れ笑いを浮かべる。そして和哉は、グループにとってたくさんの挑戦があった「SIX DAY」について「僕らが『セットリストを半分変えたいです』と言って、それに対応してくれるスタッフさん、ヤバいです」と切り出し、これにジャンは「スタッフさんにBig up!」と大きな感謝を伝えていた。

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「1年前には配信ライブをやっていたわけだから。BLUEのペンライトを見られて、モチベブチ上がりですよ!」と興奮気味に語ったのは颯。彼は「今回、振り付けや構成にも関わらせてもらって。20歳を迎えたタイミングで、成長できたと思う」と胸を張る。そして毅は「(動員)キャパ半分の状態からのスタートでしたが、(コロナ)陽性者も出ず今日を迎えられて、我ながら持ってるなと思います」と、ツアーを完走できる喜びを口にしていた。

左からジャン海渡、柴崎楽、古川毅。(撮影:笹森健一)[拡大]

すると、ここで彪馬は「コロナ禍で、1人で物事を深く考える時間が増えて」と切り出す。「『なんで過去を振り返るのか?』と考えていたときに思ったのは、幸せな思い出を超せないという不安があるからなんじゃないかって。でもそうやって考えても意味はないと気付いたし、僕らはそんな思い出を超えていけると胸を張って言えます。僕たちと一緒に、幸せな思い出をたくさん作っていきましょう」。そう呼びかけると、彼は「未来へむけて、すべての人へ向けて、この曲を歌います」と続け「-Tweedia-」という曲名をタイトルコールした。

SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)[拡大]

突如初披露された「-Tweedia-」は、彪馬のアイデアを中心に制作が行われたというバラード。彪馬の言葉の通り、明日へ向けての思いや温かな愛が歌われる楽曲で、9人は曲に刻んだメッセージをしっかり、まっすぐに伝えるように、気持ちの入ったエモーショナルな歌とダンスで楽曲を表現した。なお曲名のトゥイーディアとは、「幸福な愛」「信じ合う心」という花言葉を持つ青い花の名前。毅いわく「あえてスパドラがやってこなかった」という直球のバラードにBLUEへのありったけの思いを込め、毅は「2022年以降も希望を持って歩いていきたいという、僕たちから皆さんへのプレゼントです」と客席へ語りかけた。

曲終わりには、4thアルバム「Force to Forth」が3月23日にリリースされることも発表となり、ジャンは「俺たちの思いがめちゃくちゃ詰まってる。制作にガンガン携わってます」とBLUEの期待感を煽った。アルバムには「-Tweedia-」のほか「Purple Moon」という新曲も収録され、1月12日に先行配信される「Purple Moon」は毅がレギュラー出演するTBS系「よるのブランチ」の1、2月のエンディングテーマにも決定した。

「SIX DAY」ツアーファイナルの様子。(撮影:笹森健一)[拡大]

盛りだくさんの未来にBLUEもメンバー自身も胸を高鳴らせる中で始まったラストナンバー「SOUL FLAG」では、メンバーが和哉を取り囲んで彼を胴上げしたり、プロレス技をかけあったりと、盛り上がりのままにカオス状態となった9人のお祭り騒ぎがBLUEを笑顔に。「1年前にはこんな景色が見れるなんて思っていなかったです」とメンバーを代表して喜びを語った毅は「この景色は当たり前じゃないし、こんなに感謝を感じたことはないです。BLUE、いつもありがとう。これからもその大きな愛で僕らを包んでくれたらうれしいです。何倍にもして返すので」と思いを伝え、温かなムードの中でライブを締めくくった。

SUPER★DRAGON「SIX DAY」立川ステージガーデン セットリスト

01. WARNING02. LRL -Left Right Left-03. La Vida Loca04. City Noise05. Distance06. 雨ノチ晴レ07. X08. Burning in the nights09. On My Way / ファイヤードラゴン10. Caravan / サンダードラゴン11. Set It Off12. Untochable MAX13. Dragonfly14. Mada' Mada'15. SUPER★DRAGON<アンコール>16. -Tweedia-17. SOUL FLAG

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